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消防設備士講習の費用と内容をご紹介!受講しなければ免状はどうなるのか?
今回、はじめての消防設備士講習に行ってきましたので、費用や講習内容などをご紹介します。仕事も休んで丸々1日みっちりと座学なのでメチャメチャ大変です(笑)。
消防設備士の免状保持者は消防設備士の職に就いていなくても講習を受けなければなりません。ちなみに危険物取扱者は危険物を取り扱う職に就いている者のみが講習を受けます。
なぜ消防設備士と危険物取扱者とで受講者の枠が変わるのかは分かりませんが、消防設備士は免状を持っているだけで講習を受けなければいけないってコトを覚えておいてください。
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消防設備士講習とは
消防設備士講習は消防法に規定されているもので、それぞれの類によって講習区分も「特殊消防設備等」「消火設備」「警報設備」「避難設備・消火器」の4種類に分かれます。
お持ちの免状が「特類」なら特殊消防設備等、「第1類」「第2類」「第3類」なら消火設備、「第4類」「第7類」なら警報設備、「第5類」「第6類」なら避難設備・消火器の講習を受講します。
講習は「甲種」をお持ちの方も「乙種」をお持ちの方も合同でおこなわれます。ちなみに僕は乙種第6類の免状を持っていますので「避難設備・消火器」の講習を受講してきました。
消防設備士講習概要
講習時間 | 約7時間 |
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講習日 | 各都道府県によってバラバラ |
受講料 | 7,000円 |
消防設備士講習は各都道府県によって若干流れは違うようですが、途中に休憩を挟みながら大体9:30~17:30くらいまでおこなわれます。実質の講習時間は「約7時間」ほどです。
午前は「工事整備対象設備等関係法令及び防火に関する他法令等」で法令関係の講習があり、午後は「工事整備対象設備等の工事又は整備」で各類に基づいた講習、そして最後に「効果測定」という名目のテストがおこなわれます。
ほとんどの方はお住まいの地域で受講されると思いますが、消防設備士講習は全国の都道府県どこでも受講する事が可能です。各都道府県によって実施日はバラバラです。
なのでお住まいの地域で予定が合わない場合は隣の県に遠征するのも良いですね。
受講料は1区分が7,000円です。もし乙種第6類と甲種第4類をお持ちなら、「避難設備・消火器」と「警報設備」の2つの講習を受けなければいけないので14,000円となります。
消防設備士の資格はたくさんの種類があるので揃えられてる方にとってはなかなかの出費です。すべての免状をお持ちの方なら4つの講習を受講する事になりMAXの28,000円も支払わなければいけません。
講習の事を考えると消防設備士は趣味で取得するものではないですね。仕事や転職に必要な方じゃなければ維持費だけでもかなり掛かってしまいます。でも「消防設備士の職に就いていない方」には裏ワザもありますのでコチラもご覧になってください。
消防設備士講習は免状を交付された日以降の最初の4月1日から2年以内に1回目を受講し、2回目からは講習を受けた日以降の最初の4月1日から5年以内に受講していくコトになります。
時期が迫れば協会から消防設備士講習の案内が送られてきますので、受講料の支払いをおこない、申込書などを封筒にまとめて郵送すれば受講の予約が完了です。
後日、受講票が送られてきますので消防設備士講習の当日は忘れないようにしましょう。当日の持ち物は「受講票」「消防設備士免状」「筆記用具」の3点です。
受講票は「午前」と「午後」で講習を受けるとそれぞれ出席印を押され受講の証明書となります。また講習後は免状の裏面に「消防設備士講習の受講状況」欄が更新されます。
午前の法令に関しては4つの講習区分とも共通ですので、複数の講習を6ヶ月以内に受講される場合は2つ目の講習区分からは午後の講習を受講するだけでOKです。
消防設備士講習の内容(午前)
消防設備士講習がおこなわれる会場の場所やアクセス方法は事前にチェックしておきましょう。僕は大阪在住なので「大阪府教育会館 たかつガーデン」で受講しました。
ココは近鉄「大阪上本町駅」から2、3分の位置なので飲食店もたくさんあるんですけど、お昼休憩が短いので食べに行ってる時間がないです(笑)。なので事前にお昼ご飯は用意しておく必要があります。
- 消防用設備等の設置基本
- 消防用設備等の必要性 / 消防用設備等に関する規制の基本
- 消防用設備等の設置及び維持すべき防火対象物の指定等
- 防火対象物の指定 / 防火対象物の用途の決定
- 設置すべき消防用設備等の種類等
- 消防用設備等の種類 / 消防の用に供する機械器具等の検定等 / 自主表示制度 / 品質評価 / 認定制度 / 性能評定制度 / 総務大臣の認定制度
- 消防用設備等の設置及び維持の技術上の基準
- 消防用設備等の設置基準 / 消防用設備等の設置の単位 / 無窓階の定義 / 内装制限 / 消防用設備の設置の単位の例外 / 政令第32条の規定による特例
- 消防用設備等の着工届及び検査
- 工事整備対象設備等の着工届 / 消防用設備等又は特殊消防用設備の設置届及び検査 / 消防用設備等に係る届出等に関する運用
- 消防用設備等の点検及び報告
- 消防用設備等の点検及び報告の概要 / 資格者が点検できる消防用設備等 / 点検の種類、点検結果の報告 / 消防用設備等の試験・点検に用いる試験器具
- 消防設備士制度の概要
- 消防設備士制度の意義 / 消防設備士の責務 / 消防設備士の義務 / 免状の様式 / 工事と整備の区別 / 消防設備士免状の返納命令に関する基準
- 罰則
- 罰則
- 建築基準法規
- 建築基準法令の目的と構成 / 法の適用 / 防火に関する規制 / 内装の規制 / 避難上の規制 / 非常用の照明装置 / 消防活動上の規制 / 建築確認と消防同意
- 危険物製造所等の消防用設備等の規制
- 危険物規制の仕組み / 危険物製造所等における消防用設備等
- 消防検査に合わせた工事の進行管理と検査の準備
- 完成検査前の下検査の進め方 / 本検査の進め方
- 最近における法令改正等
- 最近における主な法令改正の概要 / 最近における主な法令改正経過
9時~9時30分の間に現地で受付をするとメッチャ分厚いテキストを渡されます(笑)。そして9時30分から「講習についての説明」があって、その後の9時40分から講習がスタートです。
コレがなかなかのボリュームなんですよねぇ(笑)。テキストを順に進めていくんですけど、範囲が広すぎて「ココはまた自宅で確認しといてください」って端折りながら法令項目を駆け足で復習していきます(笑)。
消防関連の法体系には「法律」「政令」「省令」「告示」「通達」「条例」といった様々なモノがあるんですが、毎年、新しいルールがどんどん追加されています。
地域によっては建物や道路状況などが変わりますので「まったく同じ条件の事故は無い」というコトっ!大事なのは「類似の事例を検証して未然に事故を防ぐ事」です。
なので事故を未然に防ぐために消防関連の法律も毎年強化されていきます。それに伴い消防設備士の知識もアップデートしていかなければいけないっていうコトですね。
消防設備士講習の内容(午後)
午前の講習が終わって短めのお昼休憩~!ほとんどの方が講習を受けた部屋に残って持参したおにぎりやパンを食べて過ごしてました。僕もササっとおにぎりを食べて気分転換に上本町をブラブラ~(笑)。
僕は「避難設備・消火器」の講習を受講しましたので、午後からは「避難設備」と「消火器」の講習です。第5類の免状はないんですが、第5類の「避難設備」も受けるワケです。
この辺、手持ちの類だけを受講すればOKとしてくれないもんですかねぇ(笑)。第5類と第6類の両方を持ってる方はともかく、片方しか免状を持っていなければ2時間も時間がムダです。
早く終われるなら講習に1日かける事もないですし、早く終わらないとしてもお昼休憩を長めに取ってゆっくりとランチを楽しむ事もできます。ぜひ協会の方に改善して頂きたいですね。
- 避難設備
- 工事又は整備に関する技術基準の要点(設置基準 / 設置個数の減免 / 避難器具の種類 / 設置位置等) / 工事又は整備における保安に関する要点(固定に関する計画 / 施工方法の一般的事項 / 工事・設計及び整備上の留意事項) / 避難器具の事故例とその問題点(事故例とその原因) / 維持管理上の要点(技術基準の維持 / 機能の維持 / 点検実施上の留意事項等)
- 消火器
- 消火器の技術基準、整備における保安に関する要点(消火器の種類及び操作方法 / 各消火器の構造、性能等 / 住宅用消火器の構造、性能等 / 消火器の設置基準 / 点検基準の概要 / 整備に関する技術基準 / 消火器の回収・リサイクル) / 事故例並びにその問題点 / 消火器の維持管理に関する要点
午後は13時から「避難設備」の講習が2時間、15時から「消火器」の講習が2時間の計4時間です。ちょこちょこ休憩は挟みますが、ずっと座学が続くので結構ツライ(笑)。
僕は当日に知ったんですけど、講習がすべて終わると最後に「効果測定」という名の小テストが待っています。資格取得から時間も経っているので不安な方もおられると思いますが、当日の講習を受けていれば誰もが解けるような問題ばかりです。
というのも、「午前」「午後」ともに講師の方が「ココは最後の効果測定にも出るのでチェックしておいてください」と問題になる箇所を教えてくれます。どちらかと言うと講習をちゃんと聞いているかの確認ですね(笑)。
なので全体的にボリューム多めの講習ですけど、先生のお話をちゃんと聞いておけば効果測定は問題なくクリアできます。さらに言うと効果測定で問われるのは手持ちの類だけです。
僕も第5類の「避難設備」を受講しましたけど、第6類の免状保持者なので「避難設備」の問題は答える必要がありません。ん~、やっぱ「避難設備」を受講する意味無いですよねぇ(笑)。
効果測定
最後におこなわれる効果測定では法令問題が3問、各類の問題が2問の計5問です。
僕は講習当日に効果測定があると知ったので、「コレに合格しないとまた講習の受け直しになるの?」ってメチャメチャ焦りました(笑)。休憩時間に「消防設備士講習 効果測定 不合格」で検索しっぱなし(笑)。
いろんなサイトで確認したんですけど、明確な回答をしているものが見つかりませんでした。ですが不合格となったとしても免状が使えなくなったり、違反点数が付いたり、講習を再受講しなければいけないというコトは無さそうです。
あるサイトでは小言を言われながら解答を書き直して終了というお話もありました。
そんなカンジで緊張しながら効果測定に臨んだんですが、大阪では17時から効果測定がおこなわれ、デキた者から退出するというシステムです。帰りに効果測定の解答用紙を提出して免状を受け取り帰宅っ!
アレっ、採点もなければ正解も教えてくれない(笑)。
おそらく効果測定は「講習をちゃんと聞いといてね」っていう意味程度でおこなわれているモノだと思います。まぁ、せっかく1日休みも取って受講料も払っているのでしっかり受講するに越した事はないですからね。
それに問題自体も全然ムズかしくないので普通に合格できるレベルだと思います。
「間違っているものを選びなさい」という問題なんですが、「住所を変更した場合は、遅滞なく免状を交付した都道府県知事等に書き換えを申請しなければならない」とか「消火器具の標識として乾燥砂は乾燥砂と表示する」とか。
ちなみに正解は「住所」ではなく「本籍」を変更した場合は免状の書き換えを申請します。そして乾燥砂は「消火砂」と表示ですね。さらに講師の方が問題に出る箇所を教えてくれるので普通に合格できる問題ばかりです。
消防設備士の職に就いていない方
仕事で消防設備士の免状が必要な方や消防設備士の職に就こうとお考えの方はともかく、免状を取得したけど今後使う予定がない方にとっては受講料の7,000円はかなりの出費です。
講習を受講するのは消防設備士の義務なので、受講しないでいると「消防設備士講習受講義務違反」となります。車の免許と同じように違反が重なると免状を返納しなくてはいけません。
消防設備士の免状は違反をおこなうと内容によって点数が加点されていきます。そして違反点数が3年間で「20点」になると免状の返納命令が下されます。ちなみに消防設備士講習受講義務違反は「5点」が加点されます。
上文の説明でピンと来られましたでしょうか?要は消防設備士講習受講義務違反だけでは3年間で「15点」の加点にしかならないので免状を返納する必要はありません。
仕事で消防設備士の免状を使わないという方は消防設備士講習を受講しなくても大丈夫です。注意点としては後に消防設備士の職に就く場合、違反点数が「15点」の状態なので何かしらの違反一発で免状の返納命令が下される可能性があるというコトです。
ややこしい話をもうひとつすると、複数の免状をお持ちの方。例えば乙種第6類と甲種第4類をお持ちの方が「保有する消防設備士免状対応業務以外の業務実施」の違反をしてしまうと違反点数「8点」が加点されてしまいます。
この「8点」という違反点数は乙種第6類と甲種第4類のどちらにも適応されてしまいます。違反点数はすべての免状の種類に計上されてしまうんですが、唯一、消防設備士講習受講義務違反だけは例外です。
乙種第6類と甲種第4類で消防設備士講習受講義務違反となると各「15点」が加点され、ふたつ合わせると違反点数が「30点」になると思ってしまいますよね。
ですが消防設備士講習受講義務違反の場合は、乙種第6類の違反点数が「15点」、甲種第4類の違反点数も「15点」というように個別で計上されるので免状も返納しなくて済みます。
義務と言われるから罪悪感を感じてしまうんですよねぇ。消防設備士の免状をお持ちでも消防設備士の職に就かないのであれば講習を受けなくても問題は無いので安心してください。