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電気工事士の試験内容とは?受験の申し込み・免状の申請と就職先の仕事内容
電気工事士は電気を取り扱うために必要な国家資格です。第二種電気工事士の資格を持っていれば自宅のDIYで電気系統を変更する事も可能です。
人が生活していくうえで電気は欠かせないものですが、こんなに身近にあるのに電気のコトって良くわからない、「危険で怖い」というイメージがありますよね。
実際、電気は感電や火災の原因にもなりますのでとても危険です。電気工事士の勉強をして正しい知識を身に付ける事によって、「意外と電気って面白い!」って気持ちになります。
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電気工事士の試験概要とは
試験概要
種類 | 第一種 | 第二種 |
---|---|---|
受験資格 | なし | |
試験形式 | 筆記【マークシート】 技能【工具を使用した作業】 |
|
試験時間 | 筆記【140分】 技能【60分】 |
筆記【120分】 技能【40分】 |
合格ライン | 筆記【約60点以上】 技能【時間内に欠陥せずに完成させる】 |
|
試験日 | 1年に1回 | 1年に2回(上期・下期) |
受験料 | 電子申請【10,900円】 書面申請【11,300円】 |
電子申請【9,300円】 書面申請【9,600円】 |
電気工事士には「第一種電気工事士」と「第二種電気工事士」の資格があり、第一種と第二種によって作業できる範囲が変わります。
第一種、第二種ともに受験資格はなく、未経験の方でも受験する事は可能ですが、第一種電気工事士に関しては試験に合格したとしても免状を発行してもらうためには条件があるので注意しなければいけません。
第一種電気工事士の免状を交付してもらうためには3年以上の実務経験が必要になります。
まずは第二種電気工事士に合格し、実務経験を経て第一種電気工事士の免状を取得するというのが一般的な流れです。
試験は第二種電気工事士が年に2回、第一種電気工事士が年に1回おこなわれています。電気工事士の試験は筆記試験と技能試験があり、筆記試験に合格すれば別日に技能試験を受ける事になります。
試験時間は第一種が筆記「2時間20分」・技能「1時間」、第二種が「2時間」・技能「40分」です。
受験料は電子申請と書面申請によって異なります。第一種は電子申請「10,900円」・書面申請「11,300円」、第二種は電子申請「9,300円」・書面申請「9,600円」です。
電気工事士の難易度と合格率
第二種の合格率
科目 | 筆記 | 技能 |
---|---|---|
2023年(下期) | 58.9% | 68.8% |
2023年(上期) | 59.9% | 73.2% |
2022年(下期) | 53.3% | 70.5% |
2022年(上期) | 58.1% | 74.2% |
2021年(下期) | 57.6% | 71.0% |
2021年(上期) | 60.3% | 74.2% |
2020年(下期) | 62.0% | 72.9% |
2020年(上期) | – | 67.7% |
2019年(下期) | 58.4% | 62.2% |
2019年(上期) | 70.6% | 67.4% |
2018年(下期) | 51.8% | 64.8% |
2018年(上期) | 57.7% | 69.3% |
2017年(下期) | 55.6% | 63.3% |
2017年(上期) | 61.0% | 71.3% |
2016年(下期) | 51.6% | 71.3% |
2016年(上期) | 65.1% | 74.0% |
第一種の合格率
科目 | 筆記 | 技能 |
---|---|---|
2023年 | 61.6% | 60.6% |
2022年 | 58.2% | 62.7% |
2021年 | 53.5% | 67.0% |
2020年 | 52.0% | 64.1% |
2019年 | 54.1% | 64.7% |
2018年 | 40.5% | 62.8% |
2017年 | 47.0% | 63.5% |
2016年 | 50.3% | 61.7% |
電気工事士の試験は筆記試験と技能試験があります。筆記試験はマークシート形式でおこなわれ、合格ラインは「60%」以上です。過去に合格ラインが下がった事もありますが、60%以上あれば確実です。
しっかり勉強しておかないと太刀打ちできないのが技能試験です。技能試験では実際に工具を用いて支給される材料のケーブルを切ったり、コンセントへの配線をおこなったりと短い時間の中で正確に作業しなければいけません。
技能試験は減点方式なので、指定通りに回路を組み立てられれば合格となります。未完成のものや指定の施工寸法以下のもの、リングスリーブや差込形コネクタの誤接続などは不合格になります。
2023年の合格率は、第一種が筆記「61.6%」・技能「60.6%」、第二種は上期・下期併せてが筆記「59.4%」・技能「71.0%」です。
第一種も第二種も難易度は「普通~やや易しい」といったレベルです。第一種の免状を取得するには3年以上の実務経験が必要になりますので、それだけの経験を積めば難しい試験でもないはずです。
電気工事士は総合して難しい試験ではないですが、技能試験がある事によってハードルが高くなっています。というのも試験で使用する工具と練習用のケーブルなどを購入するのにかなり費用が掛かります。
揃える工具は人それぞれですが、たいていの方がセット売りされているものを購入する事になります。この工具のセットと練習用セットを合わせると約3万円くらいします。めちゃめちゃ高いです(笑)。
電気工事士の試験のためにこれだけの費用を掛けるので逆に気を引き締めて勉強するかもしれませんね。それくらい本気で資格を取得しようという気持ちがないと受験できない試験です。
勉強時間の目安は第一種が「80時間」、第二種が「60時間」くらいです。第二種の場合なら筆記の勉強に40時間、技能の勉強に20時間充てる割合です。
電気工事士の受験資格
第一種電気工事士・第二種電気工事士ともに受験資格はありません。誰でも受験する事が可能です。
ただし、第一種電気工事士の試験に合格しても免状を交付してもらうためには3年以上の実務経験が必要です。そして、第一種電気工事士の試験を受けなくても条件を満たしていれば免状を交付してもらえる場合もあります。
- 第一種電気工事士試験の合格者
-
合格前後に3年以上の実務経験(下記以外)がある者
- 電気工事士法の定義で電気工事から除かれている「軽微な工事」
- 電気工事士法で別の資格が必要とされている「特殊電気工事」(最大電力500kW未満の需要設備のネオン工事及び非常用予備発電装置工事)
- 5万V以上で使用する架空電線路の工事
- 保安通信設備の工事
- 電気主任技術者免状の取得者
-
- 免状取得後5年以上電気工作物の工事、維持または運用に関する実務に従事していた者
- 高圧電気工事技術者試験の合格者
-
合格後に3年以上の実務経験(下記以外)がある者
- 電気工事士法の定義で電気工事から除かれている「軽微な工事」
- 電気工事士法で別の資格が必要とされている「特殊電気工事」(最大電力500kW未満の需要設備のネオン工事及び非常用予備発電装置工事)
- 5万V以上で使用する架空電線路の工事
- 保安通信設備の工事
いずれも実務経験が必要なんですが、電気主任技術者もしくは高圧電気工事技術者の資格を持っていれば試験を受ける事もなく、第一種電気工事士に認定してもらう事ができます。
ちなみに高圧電気工事技術者試験は1987年に終了しました。この試験が今の第一種電気工事士試験にあたるようです。
電気工事士の試験内容
- 第二種
-
【筆記試験】
- 電気に関する基礎理論
- 配電理論及び配線設計
- 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
- 電気工事の施工方法
- 一般用電気工作物の検査方法
- 配線図
- 一般用電気工作物の保安に関する法令
【技能試験】
- 電線の接続
- 配線工事
- 電気機器及び配線器具の設置
- 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
- コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
- 接地工事
- 電流、電圧、電力及び電気抵抗の測定
- 一般用電気工作物の検査
- 一般用電気工作物の故障箇所の修理
- 第一種
-
【筆記試験】
- 電気に関する基礎理論
- 配電理論及び配線設計
- 電気応用
- 電気機器・蓄電池・配線器具・電気工事用の材料及び工具並びに受電設備
- 電気工事の施工方法
- 自家用電気工作物の検査方法
- 配線図
- 発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性
- 一般用電気工作物及び自家用電気工作物の保安に関する法令
【技能試験】
- 電線の接続
- 配線工事
- 電気機器・蓄電池及び配線器具の設置
- 電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
- コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
- 接地工事
- 電流・電圧・電力及び電気抵抗の測定
- 自家用電気工作物の検査
- 自家用電気工作物の操作及び故障箇所の修理
電気工事士の試験申し込み
電気工事士の試験を申し込む方法には、インターネット上で申し込む「電子申請」と願書などに必要事項を記入して封筒で送る「書面申請」の2種類があります。
願書は大手書店などでも配布されますので公式サイトでご確認ください。取りに行く事ができない場合は「一般財団法人 電気技術者試験センター 本部事務局」に請求すれば郵送で送ってくれます。
書面での申請の場合は受験手数料をゆうちょ銀行に支払います。電子申請の場合は受験手数料の支払いを「銀行振込」「クレジットカード決済」「コンビニ決済」「ペイジー決済」から選ぶ事ができます。
電気工事士の試験申し込みは電子申請がオススメです。電子申請の場合、受験料も安くなりますしクレジット決済であれば支払手数料も掛かりません。
書類の場合でしたら願書を取り寄せるのにも費用が掛かりますし、何より電子申請は簡単です。顔写真が必要になりますので事前に写メで用意しておけばOKです。
電気工事士の免状の申請
免状というのは電気工事士の認定証です。法で定められた電気工事の作業をおこなう際には電気工事士免状を携帯しなければいけません。合格通知が届いたら早めに申請しておきましょう。
免状の申請は各都道府県によるみたいなのでお住いの地域の申請方法をご確認ください。オンライン・郵送・窓口申請などがあります。
- 電気工事士免状交付申請書
- 試験結果通知書(技能試験合格通知はがき)
- 写真(縦4cm × 横3cm)2枚
- 住民票
- 免状送付用定型封筒(切手不要、郵便番号・住所・氏名を記入)
- 手数料納付票(5,300円)
申請に必要なものは上記のものです。電気工事士免状交付申請書はインターネット上からダウンロードする事ができます。
免状には免許証のように写真も表示されますので、その部分に使用する写真を用意しなければいけません。そして、免状を送ってもらうための封筒もこちらで用意します。封筒には切手を貼り付ける必要はありません。
免状を発行してもらうための手数料も支払わなければいけません。そして手数料を支払った際にもらう手数料納付票が必要になります。
ちなみに大阪では電子申請をおこなえば手数料をクレジット決済で支払う事ができます。
電気工事士の仕事内容
電気工事士の仕事は電線の施設や照明器具・コンセントなどの取り付けから保守点検など多岐にわたります。インフラ業界でもありますし、AIでは対応できない仕事なので需要がなくなる事はありません。
電気工事士の就職先は下記のようなものがあります。
- 建設電気工事
- 鉄道電気工事
- ビルメンテナンス
その中でも多くの方が建設電気工事に携わっています。一言で建設電気工事といってもその規模はさまざまで、住宅・ビル・病院・工場などの電気設備の設計、制御回路のメンテナンスをおこないます。
鉄道電気工事というのは、電車に電気を送る架線の工事から踏切・信号機・駅の照明や券売機などさまざま機器の保守や点検をおこないます。
そしてビルメンテナンスでは基本的に保守や点検をおこないますが、場合によっては簡易的な修理などもおこないますので電気工事士の免状が必要になります。
電気工事士はビルメン業界では人気の資格で、ビルメン4点セットと呼ばれる4資格のひとつが「第二種電気工事士」です。
電気工事士の資格を取得するための勉強は電気の基礎となる部分だけなので、現場に入ると「こんな事までするの?」っていうぐらい仕事の幅が広いです。
重機を使用したり、塗装作業をおこなったり、セメントを取り扱ったりなど電気工事に付随する作業もこなしていかなくてはいけません。
電気工事士の仕事は大変ですが、需要がなくなる事はありません。人手不足の問題もありますので、今後も活かせる人気の資格です。