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独学で危険物取扱者の甲種に合格した時の勉強時間と利用した勉強法をご紹介

とうとう危険物取扱者の甲種に合格しました。甲種はすべての危険物を取り扱える危険物取扱者の最上位資格なので、これで危険物取扱者は制覇という事ですね。

正直なところ甲種の試験はそこまで難しくないです。甲種を受験するには、乙1または乙6、乙2または乙4、そして乙3と乙5の4種類の免状が必要になるので、これを揃えるのが大変です。

この4種類の乙種に合格できていれば危険物の基礎は頭に入ってるってコトですしね。ちなみに甲種の合格率は40%前後なので難易度としては「普通」といったところです。

危険物取扱者甲種の勉強方法と勉強時間

僕は1ヶ月~1ヶ月半(約60時間)くらいを甲種の勉強に費やしました。ですが、そんなに根を詰めて勉強したワケではないんですよねぇ。「電験三種」の試験に落ちた後だったので、ちょっと熱が冷めてる状態でしたし(笑)。

しかも甲種の試験の2週間前には「ボイラーの実技講習」にも行ってましたし(笑)。

というのも試験勉強をはじめて1週間くらいで公式サイトの過去問に挑戦してみたんですが、合格ラインまで「物理学及び化学」の科目であと1点足りないだけという結果。

甲種の試験は3科目すべてで60%以上を得点しなければいけません。

「危険物に関する法令」では15問中9問、「物理学及び化学」では10問中6問、「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」では20問中12問の正解が必要です。

のっけから良い点を取れたもんで「案外チョロい?」って思ってしまいました(笑)。

まぁ実際の試験は過去問ほど簡単ではなかったですし、これから甲種を受験しようとお考えの方は慢心などせずにしっかりと勉強してもらえたらと思います。

特に甲種の試験では「物理学及び化学」の科目を重点的に勉強しておきましょう。

問題文を読んでそこから熱化学方程式を自分で書けるようにしておきます。また熱化学方程式を書くためには各危険物の化学式も覚えておかなければいけないんです。

さらにmol(モル)の計算やボイル・シャルルの法則を使った計算など、文系にはツライ計算問題が出題されます。僕は学習サイトや学習動画で紹介されている計算問題のパターンをいくつも書き出してひたすら解いて練習しました。

あとは「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」も侮れません。どうしても数が多いので細かい性質まで手が回らなかったりします。僕は「物理学・化学」の科目さえ解ければ「法令」と「危険物」は問題ないと思っていました。

ですが実際の試験では「法令」と「物理学・化学」は問題なく解けましたが、「危険物」がイマイチという結果です。「こんな性質知らんな~」というものや「この危険物出ぇへんと思って覚えんかったヤツや~」というものです。

僕は重要な危険物はほぼほぼ覚えていました。色、状態(液体・粉末・結晶など)、何が発生するのか、保存方法、消化方法、指定数量、化学式、そして第4類の発火点・沸点・引火点など。

単純に僕の見落としかも知れないですけど、危険物の数が多過ぎるとこういうコトもあります。ちなみに僕が出ないと思って切り捨てた危険物は第2石油類の「スチレン」です。

第1類危険物(酸化性固体)

第1類危険物は自ら燃える事のない不燃性の固体で、加熱や衝撃によって酸素が発生します。

塩素酸塩類
塩素酸カリウム / 塩素酸ナトリウム / 塩素酸アンモニウム
過塩素酸塩類
過塩素酸カリウム / 過塩素酸ナトリウム / 過塩素酸アンモニウム
無機過酸化物
過酸化カリウム / 過酸化ナトリウム / 過酸化カルシウム / 過酸化バリウム / 過酸化マグネシウム
亜塩素酸塩類
亜塩素酸ナトリウム
臭素酸塩類
臭素酸カリウム
硝酸塩類
硝酸カリウム / 硝酸ナトリウム / 硝酸アンモニウム
よう素酸塩類
よう素酸カリウム / よう素酸ナトリウム
過マンガン酸塩類
過マンガン酸カリウム / 過マンガン酸ナトリウム
重クロム酸塩類
重クロム酸カリウム / 重クロム酸アンモニウム
その他のもので政令で定めるもの
三酸化クロム / 二酸化鉛 / 次亜塩素酸カルシウム

第1類は種類が多いですが「カリウム」「ナトリウム」「アンモニウム」の名称が付く危険物がほとんどなので関連して覚えていけます。ちょっとごっちゃにもなりますが(笑)。

第2類危険物(可燃性固体)

第2類危険物は酸化されやすい可燃性の固体で、酸化性物質との混合は危険です。

硫化りん
硫化りん
赤りん
赤りん
硫黄
硫黄
鉄粉
鉄粉
金属粉
アルミニウム粉 / 亜鉛粉
マグネシウム
マグネシウム
引火性固体
固形アルコール / ゴムのり / ラッカーパテ

第2類の硫化りんと引火性固体以外は粉じん爆発の原因となる危険物です。掲示板の表記は引火性固体以外が「火気注意」、引火性固体は「火気厳禁」となります。

第3類危険物(自然発火性物質および禁水性物質)

第3類危険物は固体もしくは液体で、乾燥砂による窒息消火が有効です。

カリウム
カリウム
ナトリウム
ナトリウム
アルキルアルミニウム
アルキルアルミニウム
アルキルリチウム
n-ブチルリチウム
黄りん
黄りん
アルカリ金属およびアルカリ土類金属
リチウム / カルシウム / バリウム
有機金属化合物
ジエチル亜鉛
金属の水素化物
水素化ナトリウム / 水素化リチウム
金属のりん化物
りん化カルシウム
カルシウムまたはアルミニウムの炭化物
炭化カルシウム / 炭化アルミニウム
その他のもので政令で定めるもの
トリクロロシラン

第3類は「自然発火性」と「禁水性」の両方を示す物質がほとんどなんですが、例外として「黄りん(自然発火性のみ)」と「リチウム(禁水性のみ)」が存在します。

第4類危険物(引火性液体)

第4類危険物から発生する可燃性蒸気は空気より重いため、換気を十分におこないます。

特殊引火物
二硫化炭素 / アセトアルデヒド / ジエチルエーテル / 酸化プロピレン
第1石油類

【非水溶性】
ガソリン / ベンゼン / トルエン / メチルエチルケトン / 酢酸エチル

【水溶性】
アセトン / ピリジン

アルコール類
メチルアルコール / エチルアルコール / n-プロピルアルコール / イソプロピルアルコール
第2石油類

【非水溶性】
灯油 / 軽油 / クロロベンゼン / キシレン / n-ブチルアルコール / スチレン

【水溶性】
酢酸 / プロピオン酸

第3石油類

【非水溶性】
重油 / クレオソート油 / アニリン / ニトロベンゼン

【水溶性】
エチレングリコール / グリセリン

第4石油類

【潤滑油】
シリンダー油 / タービン油 / モーター油 / ギヤー油 / マシン油

【可塑剤】
りん酸トリクレジル / フタル酸ジオクチル

動植物油類

【乾性油】
エノ油 / アマニ油 / イワシ油 / キリ油 / ヒマワリ油

【半乾性油】
大豆油 / ニシン油 / 綿実油 / ゴマ油

【不乾性油】
ヒマシ油 / 落花生油 / オリーブ油 / ツバキ油

第4類は発火点・沸点・引火点が重要です。法令にも関連する知識として、屋外貯蔵所には第1石油類の引火点が0℃を下回るガソリンやベンゼンは貯蔵できません。

第5類危険物(自己反応性物質)

第5類危険物は燃焼の3要素のうち、「可燃物」と「酸素供給体」を保有する物質です。

有機過酸化物
過酸化ベンゾイル / メチルエチルケトンパーオキサイド / 過酢酸
硝酸エステル類
硝酸メチル / 硝酸エチル / ニトログリセリン / ニトロセルロース
ニトロ化合物
ピクリン酸 / トリニトロトルエン
ニトロソ化合物
ジニトロソペンタメチレンテトラミン
アゾ化合物
アゾビスイソブチロニトリル
ジアゾ化合物
ジアゾジニトロフェノール
ヒドラジンの誘導体
硫酸ヒドラジン
ヒドロキシルアミン
ヒドロキシルアミン
ヒドロキシルアミン塩類
硫酸ヒドロキシルアミン / 塩酸ヒドロキシルアミン
その他のもので政令で定めるもの
アジ化ナトリウム / 硝酸グアニジン

第5類は危険物の名称が長いので取っつきにくい印象を持ってしまいますが、そんな時はアゾビスイソブチロニトリルを「アゾ」みたいに省略して覚えちゃいましょう(笑)。

第6類危険物(酸化性液体)

第6類危険物は不燃性の液体で、比重が1よりも大きい(水より重い)危険物です。

過塩素酸
過塩素酸
過酸化水素
過酸化水素
硝酸
硝酸
その他のもので政令で定めるもの
三フッ化臭素 / 五フッ化臭素 / 五フッ化よう素

第6類は危険物の種類が少ないので覚えやすいです。「過塩素酸」は第1類の「過塩素酸塩類」と名称が似ているので、引っ掛け問題としてよく出題されています。

危険物取扱者甲種で使用したテキスト

僕が使用したテキストは「甲種危険物取扱者試験 2021年版」です。レビューに「コレをやりこめば合格できる」って書いてたので購入しました。

公論出版

甲種危険物取扱者試験 2021年版

参考価格2,900円(税込)

この参考書には679問もの過去問とそれに付随する要素の説明が記載されています。危険物取扱者の試験では問題用紙を回収されるので、一般的に過去問は出回る事がありません。

こちらの参考書は、実際に試験を受けた方の記憶に基づいて問題がまとめられています。なので出題された問題と若干違う文言かも知れないですが、ほぼほぼ同じ内容の過去問です。

僕がこちらの参考書を利用して思ったコトは「問題が多過ぎ!」。ここに収録されている過去問が解けるようになれば合格できるっていうのは頷けますけど、全部が解けるようになるにはめちゃくちゃ時間がかかります。

ですから僕はこの参考書を半分も読んでいません(笑)。「甲種危険物取扱者試験 2021年版」の情報量はかなりスゴイので人によっては重宝する参考書ですけどね。

という事で僕は参考書を使うのをやめ、あとは学習サイトをメインに勉強していました。この学習サイトが一押しなので「危険物取扱者甲種で活用した学習サイト」で紹介します。

危険物取扱者甲種で人気のおすすめ参考書

危険物取扱者甲種の試験でみんながよく利用する人気のテキスト・問題集をご紹介します。「どれが良いのかわからない」と悩まれている方はぜひ参考にしてください。

U-CAN

ユーキャンの甲種危険物取扱者速習レッスン 第2版

参考価格2,860円(税込)

弘文社

本試験形式! 甲種危険物取扱者 模擬テスト 【大改訂第3版】

参考価格2,200円(税込)

弘文社

わかりやすい! 甲種危険物取扱者試験 (大改訂第2版)

参考価格 3,080円(税込)

技術評論社

らくらく突破 甲種危険物取扱者 合格テキスト+問題集 第2版

参考価格2,728円(税込)

電気書院

受かる甲種危険物取扱者試験 (改訂2版)

参考価格2,530円(税込)

危険物取扱者甲種の試験勉強で良く使用されている参考書が上記のものです。余裕のある方でしたら気になる参考書を実際に書店で確認してもらう方が良いかと思います。

あとは乙4で使用したテキストや、乙3・乙5などで使用したテキストも手元にあれば復習できて良いですね。どうしても危険物の数が多いので過去に勉強した内容が頭に入っているうちに甲種の試験へ臨みましょう。

危険物取扱者甲種で活用した学習サイト

図解でわかる危険物取扱者講座

図解でわかる危険物取扱者講座

僕が甲種の試験に合格できたのはこのサイトのおかげと言っても過言ではないです。甲種の勉強の8割はこの学習サイト「図解でわかる危険物取扱者講座」でおこないました。

このサイトは乙1・乙3・乙5の試験の際にも利用させて頂いたんですが、「法令」「物理学・科学」「危険物」を詳しく解説されていて、市販のテキストが要らないくらいの充実ぶりです。

特に「危険物」に関しては第1類~第6類に出てくる主要な危険物をひとつずつ解説しているのでわかりやすいです。あとは自分なりに特徴を書き出してまとめたりしていました。

「法令」と「物理学・科学」に関しても暗記しておくべき情報を紹介してくれていますので、指定数量・官能基・消火剤の種類などを繰り返し勉強して覚える事ができます。

ただ、このサイトだけでは甲種の試験に合格するのは難しいかなと思います。

というのも、このサイトでは「物理学・科学」の計算問題を満足に勉強する事ができません。過去問などの掲載がないので、甲種で出題される計算問題の練習ができないんです。

なので僕は暗記ものはこのサイトで勉強し、「物理学・科学」の計算問題は他のサイトや動画で勉強しました。計算問題もパターンがあるのでいくつも練習しておいたほうが良いですからね。

危険物取扱者甲種のおすすめ学習サイト

甲種の問題にも慣れておいたほうが良いと思いますので、ここでは練習問題だけをひたすら解いていく学習サイトを紹介しておきます。自分の実力を測る「ものさし」にもなりますね。

甲種危険物取扱者資格に挑戦

甲種危険物取扱者資格に挑戦

こちらは各科目10問ずつしか出題されないので実際の甲種の問題数とは異なりますが、10問中6点以上を得点できるように繰り返し問題を解いていきましょう。

ただ、問題はランダムで出題されますので同じ問題が連続で出題される事もあります(笑)。まぁまぁそこはね、ご愛敬ってコトで。あと問題が正常に進まない事も多々あるので、そういうもんだと思ってご利用ください(笑)。

そしてこのサイトでは計算問題も出題されますので、しっかりと解説を読んで自分でも計算が解けるようにしておきます。僕もココに出題される計算問題はメモって練習しました。

なかには解説を読んでも良くわからない問題もあるんですが、そんな時はヤフー知恵袋を見ると良いかも知れません。同じ問題の解説を求める投稿者がいたりするので、その方への回答として問題を説明されていたりします。

「物理学・科学」の計算問題は2~3問出題されます。なので10問中6問を得点するためには計算問題を捨てるワケにはいきません。計算問題の対策もしっかりおこなっておきましょう。

危険物取扱者甲種の活用した学習動画

こちらも計算問題の練習のために利用させて頂きました。YouTubeに投稿されている「けみちるちゃんねる」の動画です。ひとつひとつの解説が丁寧ですごくわかりやすいです。

比熱・増加体積・mol数・完全燃焼・反応熱などの詳しい解説や、視聴者から質問された問題の説明などを公開してくれています。僕もこの動画にはメチャメチャお世話になりました。

僕は暗記ものに関しては学習サイトの「図解でわかる危険物取扱者講座」で勉強し、計算問題に関しては主にこの「けみちるちゃんねる」の動画で勉強しました。

いくつか計算問題もパターンがあるので、この動画をもとに勉強していれば本番でも対応できるかと思います。たまたまかも知れないですが、僕が受験した時は「何コレ?」っていう初めて見る問題が出題されていました。

危険物取扱者では試験の解答が公開されていないので、結局その問題が正解なのか不正解なのかを確認できませんが、初見の問題でも自信を持って解答する事ができましたしね。

それと「けみちるちゃんねる」では計算問題以外にも知識分野の解説もされています。危険物取扱者の試験は学習サイトや学習動画で十分合格できます。テキスト要らないですね。

危険物取扱者甲種の免状(おまけ)

危険物取扱者の免状が届きましたので紹介しておきます。僕は乙4を取得した後、乙1・乙3・乙5を同時に取得しました。そして最後に甲種を取得したので免状の記載はこんなカンジです。

危険物取扱者の免許

免状の表面には顔写真・免状の種類と交付年月日・氏名・生年月日・本籍が記載されています。

危険物取扱者の免許

免状の裏面には講習の受講状況を記載する項目が付けられています。

危険物取扱者の免状保有者は定期的に講習を受けなければいけません。ですが危険物を取り扱う職務をおこなっていない場合は講習を受ける必要がありません。

危険物取扱者の免状は自動車免許証と同じようにカードタイプです。基本的に免状は職務中でも携帯する必要はありませんが、タンクローリーなどで危険物を移送する際には免状を携帯しなければいけません。

なにはともあれ甲種の免状を手に入れたのでひと安心です。コレクターの方は乙2と乙6に記載がないと気持ち悪いかも知れませんが、僕は全然気にしません(笑)。

僕は他の試験も受けていたので危険物取扱者を詰めて受験する事ができなかったんですが、甲種を狙うなら詰めてスケジュールを組んだほうが良いです。

そうすると乙種の内容をちょっと復習するだけで良いので、甲種にかける勉強時間もだいぶ短縮できます。僕もわりと覚えていたほうですが、すっかり忘れた頃にまた危険物を覚えるのはなかなかツライですからね(笑)。

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